前回の続きです。
紫外線はしみ、そばかすなどの原因となるだけでなく、
骨を作る材料の1つ、ビタミンD3を作るような良い働きもするということです。
では、しみ、そばかす、妊娠線、肉割れとは実際、どのような事を言うのでしょうか?
そもそも、しみ、そばかすなどは医学用語ではありません。
正式には「皮膚性色素沈着症」と言います。
ここで言う色素とはメラニン色素のことを言います。
人は紫外線から体内の細胞を守る(DNAを破壊されないように)為に、メラニン色素という物を作ります。
メラニン色素が紫外線を吸収して、奥にいかないようにします。
サングラスや日傘が黒いのも、その為です。
一方、白の日傘は紫外線を反射して防御します。
しかし、地面から照り返された紫外線は、
白の日傘では、もう一度内側から自分に向かって反射してきます。
しかも、傘は丸みがある為、パラボラアンテナのように顔に向かってきます。
だから、白より黒い日傘の方が、紫外線対策に効果があると言われます。
なお、黒は吸収するので熱を持ちますので暑苦しいです。。。
皮膚細胞の入れ替わり(ターンオーバー)時に、メラニン色素がうまく排出されないとシミになります。
このシミのでき方によって、次のようなものがあります。
- 日光黒子(にっこうこくし)
老人性色素斑とも言われ、その名の通り老人のシミです。
これは、紫外線(日光)の影響を受けない太ももにもできたりします。
不思議ですよね。
紫外線をブロックする為に、メラニン色素(しみの元)が発生しますが、紫外線が当たらない場所にもできるんです。
これは、脳からメラニン色素を作れという指令が出る仕組みがあるからです。
(脳下垂体中葉からメラニン細胞刺激ホルモンが出る)
でもこの仕組み、人間についてはほとんど解っていません。
だから、その仕組みがシミを作っているという事も明確になっていません。
この機能、実はアマガエルが使っています。
アマガエルは敵から身を守る為に、背景に合わせて体色を変化させます。
新緑の上だと緑色
秋の落ち葉の上だと茶色
という感じです。
- 雀卵斑(じゃくらんはん)
そばかすのことです。
生まれつき、メラニン色素が発生しやすい皮膚の人がなりやすいと言われています。
これは白人など、皮膚の色が薄い人ができやすいので遺伝的要素があるということです。
欧米人は自分にそばかすがあることを気に入っており、そばかすタトゥーなる流行もあるくらいです。
なお、アラスカなどでは夏にそばかすが出来て、冬になくなるという事もあるそうです。
アラスカ(アンカレッジ)の日照時間はこんな感じです。
夏至:約19時間
冬至:約5時間
紫外線を浴びる時間が少なくなり、メラニン色素が回収されるのでしょう。
アラスカに行った女性が、そばかすが消えたという記事があったので紹介しておきます。
「そばかすだらけの顔が、アラスカに住んだらきれいさっぱり消えた!」女性の比較写真に驚きの声
- 肝斑(かんぱん)
形が肝臓に似ていることからこの名称となったようです。
女性ホルモンが減少する30代後半以降の女性に多く、左右対称にあざに近い感じでできます。
薬やストレスなどで、女性ホルモンのバランスが崩れたりすることも、影響すると考えられています。
顔をさわる癖のある人に出やすい傾向がある為、過度な洗顔、スキンケアには注意が必要です。
- 色素沈着
ニキビ、虫刺され、湿疹、傷跡などが炎症を起こして、メラニン色素が過剰に発生します。
傷跡のカサブタを、かゆいからと言って、かかない方がよさそうです。
- 脂漏性角化症
日光黒子と同様の原因で、皮膚の表面上に盛り上がった様なシミのことです。
- 真皮メラノサイトーシス
皮膚の奥の方(真皮)にメラニン色素ができてしまうことです。
遺伝的要因が多いと言われています。
原因は様々ですが、防衛本能だからといって、シミは無いに越したことはありませんね。
でも、個人的にはそばかすは、”あり”だと思います。(アメリカ人の青い瞳と同等レベルです)
また、気にしすぎることのストレスで、他の症状を誘発してはもったいないです。
今はレーザーなどの美容整形で強制除去もできます。
しかし、放射線、過度な紫外線などで皮膚細胞のDNAが破壊されていなければ、
人間の仕組みとしては肌の入れ替わり(ターンオーバー)でメラニン色素は回収されます。
この入れ替わりが正常に機能しているかどうかだけです。
なお、この肌の入れ替わりを強制活用(?)したダーマローラー(※1)
という、プチ拷問器具のような方法もありますが、しくじると色素沈着(炎症)になったりもします。
検索して拡大写真を見ると鳥肌が立ちます(だから写真は載せません)
次は、妊娠線、肉割れについてです。
(※1)ダーマローラー
無数の細い針のついたローラーを、
ニキビ跡や、シミの箇所にゴロゴロと転がす美容器具