自律神経、自律神経ってよく言いますけど、なんなんでしょうか?
雑誌や、整体のホームページに、
「自律神経を整えましょう!」
なんて、合言葉のように出てきます。
「なんか自律神経のバランスが乱れて調子悪いのよね」
「最近天気悪いから、自律神経が乱れてるのよね」
など、よく意味がわかっていないけど、普通に使っているかも知れませんね。
という事で、自律神経について記載します。
自律神経って運動神経と違うの?
小学生くらいになると、運動神経という言葉を使い始めるかと思います。
「運動神経いいね〜」
「運動神経にぶいじゃん。。」
とか、いい意味でも悪い意味でも使いますね。
運動神経とは自分の意思で体を動かす為の神経です。
そして、運動神経の先は筋肉がつながっています。
飛んできたボールをよける(又はキャッチする)という動作は運動神経で行なっています。
だから、ボールがよけられなかった。
上手くキャッチ出来なかった。
という事は
出来る人に比べて、運動神経が素早く働かなかったという解釈で、
「運動神経がにぶい」
という事になります。
では、自律神経(じりつしんけい)は何かと言うと
自律した神経です(そのままです)。
自律とは広辞苑によりますと
自分の行為を主体的に規制すること。外部からの支配や制御から脱して、自身の立てた規範に従って行動すること。
となっています。
これを自律神経に当てはめると、
「自分の行為を主体的」は生物としての行動です。
「外部からの支配や制御」は自分の意思の行動という事になります。
ようは、運動神経のように自分の意思では動かす事の出来ない神経です。
例えば心臓。
心筋という心臓専用の筋肉を縮めたり、ゆるめたりして、ドクンドクンと動かします。
心臓は1分間で約60〜90動かします。
1日でおよそ10万回も動かします。
ちなみにあらゆる動物は生まれてから死ぬまで、心臓が20億回拍動すると言われています(回数が決まっています)。
もし心臓をコントロールする神経が運動神経だとしたら、自分の意思で心臓を動かす必要があります。
手のひらでグーパーを1日10万回繰り返すのと同じ感じです。
しかも寝ている時も止めてはダメです。。。
無理ですよね。
自律神経とは、意識しなくても24時間、体の機能をコントロールする為の神経という事です。
交感神経と副交換神経
自律神経には2種類あります。
交感神経
心拍数増加、血圧上昇などエネルギーを消費させる。
副交換神経
心拍数減少、血圧低下、消化運動などエネルギーを確保させる。
イメージとしては
「いくぞー!」
とあおる側(交感神経)と
「ちょっと、落ち着こうか」
となだめる側(副交感神経)になります。
例えば、走ったりして筋肉のエネルギーが足りなくなります。
すると交感神経が働いて、心臓を激しく動かして全身に血液をいっぱい送る事で、筋肉に多くのエネルギーを供給します。
また、食後は消化活動に専念させる為、副交換神経が働いて、余計な動作をさせないようにさせます。
結果、リラッスク状態になる事で、ダルくなったり、眠くなったりします。
自律神経が乱れるとどうなるの?
自律神経が乱れるという事は、
交感神経、副交感神経がそれぞれ働くべきタイミングで、働かないと言う事です。
食事をすると胃に入った食べ物を消化する為、胃酸が出ます。
その後、食べ物がドロドロにされると胃酸は止まります。
その胃酸を出す・止めるというコントロールを、自律神経が行っています。
この胃酸をコントロールする自律神経がしっかり働かないと(乱れている)、このような事が起きてしまいます。
食べ物が胃に入っても胃酸が出ない
いつまでも胃に食べ物が残っている感じで、胃がムカムカする。
食べ物が胃から無くなっても胃酸が出続ける(止まらない)
胃酸が胃の壁を刺激し続けるので、キリキリと痛む感じがする。
他にも自律神経が乱れると色々な不調が現れてきます。
なぜ自律神経が乱れるのか?
自律神経とは、自分で意識しないで臓器などをコントロールする神経です。
視力もその1つです。
遠くを見るには、目のレンズに相当する水晶体の厚さを変化させます。
水晶体の両端についた毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉をの伸び縮みさせる神経が自律神経です。
交感神経が働くと、毛様体筋が緩み、レンズが薄くなって遠くにピントが合います。
また、副交感神経が働くと毛様体筋が縮み、レンズが厚くなって近くにピントが合います。
太古の昔、人間は外敵や獲物を発見する為、遠くを見て注意をはらいます。
この緊張が交感神経を働かせて遠くにピントを合わせます。
それ以外の遠くを監視(緊張)する必要の無い時は、副交感神経が働き休息モードになります。
食べ物や仲間にピントを合わせたい時には、交感神経でなく、副交感神経を働かせて近くにピントを合わせます。
人類が誕生した昔の野生環境の生活と、現在は正反対の状況下にあります。
仕事で緊張している時、交換神経が優位になってます。
交感神経は遠くにピントを合わせようとします。
しかし、デスクワークでは書類や、パソコンなど近くにピントを合わせようとします。
近くにピントを合わせる為には本来、副交感神経が優位になるはずが逆転しています。
この自律神経の矛盾が続くと、自律神経の元の脳が混乱していきます。
すると、自律神経(交感神経、副交感神経)の働きが上手く行かなくなります。
さらに、自律神経でコントロールしている臓器の働きが悪くなり、体調不良となってしまいます。
自律神経を整えるには
では、乱れてしまった自律神経を整えるにはどうすればいいでしょうか?
緊張している時
→交感神経
リラックスしている時
→副交感神経
この自律神経の使い方のかたよりを少なくさせます。
今の社会は、仕事している時、家にいる時も緊張している方が多い為、交感神経ばかり働いています。
だから、意識的に副交感神経を働かせてあげます(リラックス)。
方法は色々あります。
専用の本もたくさん出ています。
- ヒーリング音楽を聞く
- いい景色を眺める
- アロマを嗅ぐ
- 美味しいものを食べる
- 運動する
- 深呼吸をする
- 瞑想(メディテーション)する
色々ありますが、1つ言えることは
やらなくては!
って思ってはいけません。
その緊張感が交感神経をさらに働かせ、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
オススメは深呼吸です。
「まず、椅子にすわってリラックスします」
と深呼吸のやり方について書いてある本があります。
私に言わせると、えっ!? です。
リラッスクは結果(目的)であって、行為ではありません。
リラックスしようとすると、頑張って緊張(交感神経)してしまいます。
もう一度言います。
深呼吸という行為をすることで、リラックス(状態)という結果にもって行きたいのです。
さて、深呼吸のやり方です。
- 椅子に座るか、横になります
- 軽く目を閉じます
- 鼻からゆっくり、吸えるだけ息を吸います
- その後、鼻から息を吐ききります
- これを飽きるまで繰り返します
ポイントは、「吸って〜」、「吐いて〜」だけ意識します。
鼻から吸えない人は、口からでもかまいません。
深呼吸しながら、他の事(邪念)を考え出したら終了します(無理に続けようすると緊張してきます)。
あとは30分後でも、半日後でも、好きな時にやればいいです。
深呼吸しながらリラックス出来ると、ウトウトするかも知れませんので、長い時間はしない方がいいでしょう。
最低時間ではなく長くてもここまで、というようにタイマーをセットするのもいいかとと思います。
まとめ
- 自律神経とは自分の意思で動かせない神経
- 自分の意思で動かせるのは運動神経
- 自律神経は心臓、胃腸などを24時間コントロールしている
- 自律神経には交感神経(緊張モード)、副交感神経(休息モード)の2種類がある
- 自律神経が乱れると内臓などの調子が悪くなる
- 人類が誕生した時の自律神経の使い方と、現在では異なってきている
- 自律神経を整えるには深呼吸がオススメ